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【第57回】 『挑戦の500日』
倉内 均

 終戦をテーマにしたドキュメタリードラマを制作中である。正式発表前なので内容についての詳細は後日お知らせさせていただくとして、今回はこの作品のスキームについて書こうと思う。
 NHKと製作会社が製作費を分担して、放送後にビジネス展開をはかる「国内共同制作」という試みが昨年度から始まっている。その本格的な最初のプロジェクトとして、アマゾンはラテルナとともに制作出資をして今回の作品を作っている。
 NHKでの放送をファーストウインドウとし、劇場での公開やDVD発売という展開をしようというものだ。つまり、放送後は映画作品として市場にだしビジネスを展開していくというスキームである。
 今回の取り組みは、昨年、アマゾンがラテルナと資本提携したことで成し得たといえる。わたしたちの強みは制作と配給・配信を一体化させたことで、グループ会社であるティ・ジョイ系列での上映を前提にしての制作体制がとれることにある。資本力がどれだけあったとしても、わたしたちのグループのように製作・配給・興行・ビデオグラム販売と組織的に一体となって展開する力を発揮できる製作会社はそうはない。
 わたしは、今後もこの強みを生かしてNHKをはじめ民放各局と作品作りを進めていきたいと考えている。
 アマゾンのもう一人の代表取締役であり、ティ・ジョイの常務取締役である與田尚志は「挑戦の500日」というキャッチフレーズを掲げている。ティ・ジョイはこの10年シネコンのデジタル化を積極的に進め、劇場の新しい価値「エンターテインメント・コンプレックス」を追求して来た。2010年春に開業予定の京都(12スクリーン)、横浜(13スクリーン)、そして2011年春のティ・ジョイ博多(11スクリーン)、大阪(12スクリーン)のオープンまでの500日を「挑戦」と位置づけたのである。しかし、「ハコ」を作るだけではない。同時に與田は、アマゾン、ラテルナ、韓国CJエンターテインメントとの提携を強め、アジアマーケットへ拡大するコンテンツ開発に取り組んでいる。
 アマゾンにとっての「挑戦の500日」は、2011年の完全デジタル化に対応して、デジタル・メディアに供給するコンテンツを作ることだ。もはや、テレビと映画とのメディアの境界線は取り払われていく。必要なのは、魅力的で高い商品価値をもつコンテンツを作る熱意と想像力である。

(2009年10月)


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